私たちは毎日、多くの音や情報に囲まれて生活しています。
スマートフォンを開けば次々と情報が流れ、動画やゲーム、SNSなど、頭も心も休む暇がありません。
便利な時代になった一方で、静かに自分と向き合う時間は少なくなりました。
だからこそ、今の子どもたちに必要なのは、「考える力」の前に、「心を整える力」ではないでしょうか。
スポーツ選手は試合前に深呼吸をし、音楽家は演奏前に心を落ち着かせます。
どんな世界でも、本来の力を発揮するためには、まず心を整えることが大切にされています。
勉強も同じです。
集中できない状態で机に向かっても、頭には入りません。
イライラしたまま問題を解けば、普段できる問題まで間違えてしまいます。
まず心を落ち着かせる。
その時間を積み重ねることで、子どもたちの表情や姿勢にも少しずつ変化が生まれてきます。
そして、静かな時間には、もう一つ大切な意味があります。
現代は、分からないことがあれば、すぐに答えを調べることができます。
しかし、「どんな人になりたいか」「自分は何を大切にしたいのか」といった問いには、インターネットは答えてくれません。
その答えは、自分の心の中にしかありません。
静寂とは、何もしない時間ではなく、自分自身と向き合う時間なのです。
もちろん、私たちは、子どもたちに成績が上がってほしいと思っています。
それ以上に願っていることがあります。
人の話を最後まで聞ける人になってほしい。
感情に流されず、自分をコントロールできる人になってほしい。
相手を思いやり、自分の人生を自分で考え、自分の足で歩んでいける人になってほしい。
そのような力は、一朝一夕で身につくものではありません。
木が大きく育つためには、目には見えない地中で、しっかりと根を張る時間が必要です。
人も同じです。
目には見えない心の土台があってこそ、学力も、人間力も、その上に育っていきます。
その土台を育むために、当塾では授業の前に「静寂の時間」を設けています。
たった一分ですが、姿勢を正し、呼吸を整え、心を落ち着かせる時間です。
最初は落ち着かなかった子も、続けるうちに自然と集中できるようになり、自分の気持ちを切り替える力も育っていきます。
もちろん、この時間だけで成績が上がるわけではありません。
ですが、「学ぶ姿勢」を育てることは、学力を伸ばすための大切な土台になります。
私たちは、目先の点数だけではなく、子どもたちが社会に出てからも信頼され、周りの人を思いやり、自ら考えて行動できる人になってほしいと願っています。
その第一歩が、自分の心と向き合うこと。
静寂の時間は、そのための特別な時間ではありません。
未来を生きる子どもたちの「心の根」を育てる。
その大切な一分間を、私たちはこれからも大切にしていきます。
