「尊己及人(そんききゅうじん)」という言葉があります。
「己を尊び、人に及ぼす」。
自分を大切にし、その心を人へ広げていくという教えです。
「自分を大切にする」と聞くと、自分勝手になることだと思う人もいるかもしれません。
しかし、本当の意味は違います。
自分を大切にするとは、自分を甘やかすことではありません。
自分との約束を守ること。
時間を大切にすること。
健康を大切にすること。
そして、自分には価値があると信じることです。
そのような人は、不思議と人も大切にできるようになります。
約束を守れる人は、人との約束も守ります。
自分の努力を認められる人は、人の努力も認められます。
自分を大切にできる人は、人を傷つける言葉を簡単には口にしません。
だから、「尊己」と「及人」は別々のものではなく、一つにつながっているのです。
勉強も同じです。
テストの点数が悪かったからといって、「自分はダメだ」と決めつけてしまう子がいます。
失敗を責め続けるだけでは、自信も意欲も育ちません。
大切なのは、「今回はうまくいかなかった。では次はどうしよう」と考え、一歩前へ進むことです。
自分を尊ぶとは、自分の可能性を信じることでもあります。
私たちは、子どもたちに高い点数だけを求めているわけではありません。
自分を信じ、努力を続けられる人になってほしい。
そして、その優しさや思いやりを、家族や友達、地域、社会へと広げられる人になってほしい。
そう願っています。
「ありがとう」と言えること。
約束を守ること。
困っている人に手を差し伸べること。
そんな行動は、特別なことではありません。
自分を大切にする心が、自然と人へ広がった姿なのだと思います。
勉強で身につける知識は、人生を支える力になります。
そして、人を思いやる心は、人生を豊かにする力になります。
「尊己及人」。
まずは、自分を尊ぶこと。
そこから生まれた優しさを、家族へ、友達へ、そして社会へと広げていく。
私たちは、学力だけでなく、そのような人間力も育める教室でありたいと願っています。
