「苦難福門(くなんふくもん)」という言葉があります。
文字どおり、「苦難は幸福への門」という意味です。
苦難と聞くと、病気や災害、人間関係の悩み、仕事の失敗などを思い浮かべる人も多いでしょう。
もちろん、できることなら苦難など経験したくありません。
しかし、不思議なことに、人生を振り返ると、「あの経験があったから今の自分がある」と思える出来事は少なくありません。
勉強も同じです。
テストで思うような点数が取れなかった。
第一志望に届かなかった。
苦手な問題が何度やっても解けなかった。
そんな経験は、その瞬間は苦しいものです。
その悔しさがあったからこそ、「次は負けたくない」「もっとできるようになりたい」という気持ちが生まれます。
その気持ちこそが、人を成長させる原動力なのだと思います。
塾長はキリスト教徒ではありません。
それでも、聖書(マタイによる福音書)の「狭き門より入れ」という言葉には、とても共感しています。
楽な道は広く、多くの人が進みます。
一方で、本当に自分を成長させる道は、狭く、険しいことが少なくありません。
毎日机に向かうこと。
分からない問題から逃げないこと。
挨拶をすること。
約束を守ること。
どれも特別なことではありませんが、続けるのは決して簡単ではありません。
だからこそ、その「狭い門」をくぐった人だけが見られる景色があります。
実は、「苦難福門」という言葉には、「本当は『門』さえいらない。苦難そのものが福なのだ」という考え方もあるそうです。
苦難は、幸せになるための条件ではありません。
苦難そのものが、人を鍛え、優しさを育て、感謝を教え、人生を豊かにしてくれる。
そう考えると、今の苦労にも意味を見いだせる気がします。
だからこそ、困難に出会ったときは、下を向くだけではなく、少しだけ顔を上げてみましょう。
本で読んだ言葉に、こんな一節がありました。
「にっこり笑って、エイと一声。」
考えすぎて立ち止まるよりも、勇気を出して一歩踏み出す。
その一歩の先に、新しい自分が待っているのかもしれません。
苦難福門。
今日の努力が、明日の幸せにつながることを信じて、一歩ずつ進んでいきたいものです。
