「入我我入」という言葉があります。
私は、この言葉を聞いたとき、人間関係の本質が詰まった言葉だと感じました。
私たちは、人間関係で悩むと、つい相手に原因を求めてしまいます。
「あの人が変わってくれればいいのに。」
「もっと分かってくれればいいのに。」
「話を聞いてくれればいいのに。」
そう思うことは、誰にでもあります。
しかし、本当に相手が変わるのを待つだけで、人間関係は良くなるのでしょうか。
私は、そうは思いません。
人間関係は、相手を変えようとすることから始まるのではなく、自分が変わることから始まります。
「入我我入」。
私は、この言葉を「まず、自分から相手の心の中へ入っていくこと」だと受け止めています。
相手は、なぜそんな言葉を口にしたのだろう。
どんな気持ちだったのだろう。
どんな事情があったのだろう。
相手を理解しようとする姿勢を持つだけで、見える景色は大きく変わります。
もちろん、相手に賛成する必要はありません。
間違っていることは、間違っていると伝えなければならない場面もあります。
しかし、理解しようとすることと、相手に同意することは違います。
理解しようとする姿勢があるからこそ、本当の対話が始まります。
親子でも同じです。
親は、「子どものためを思って」と言います。
子どもは、「自分なりに頑張っている」と思っています。
どちらも悪気はありません。
それでも、すれ違いは起こります。
夫婦もそうです。
友人もそうです。
職場もそうです。
人は誰でも、「分かってほしい」と願っています。
だからこそ、「分かってもらえない」と感じたときこそ、自分に問いかけてみたいのです。
私は、相手を分かろうとしていただろうか。
この問いを持つだけで、自分の言葉は変わります。
表情が変わります。
接し方が変わります。
そして、自分が変わると、不思議なことに相手との関係も少しずつ変わっていきます。
人は、相手を変えようとすると距離ができます。
相手を理解しようとすると距離が縮まります。
人生は、人との関わりの連続です。
家庭も、学校も、職場も、地域も、すべて人との関係の中で成り立っています。
だからこそ、人間関係を良くする一番の近道は、自分から一歩踏み出すことです。
相手に求める前に、自分が動く。
理解してほしいと願う前に、自分が理解しようとする。
その一歩が信頼を生みます。
その積み重ねが人を育てます。
そして、その姿勢は必ず自分自身を成長させます。
「入我我入」。
人間関係は、相手を変えることから始まりません。
まず、自分から。
それが、人として成長するための第一歩です。
