皆さんは「予祝」という言葉をご存じでしょうか。
予祝とは、まだ起きていない未来を、先に喜び、先に祝うことです。
しかし私は、予祝で最も大切なのは、単に「うまくいった自分を想像して喜ぶこと」ではないと思っています。
もっと大切なのは、
「未来を先に決めること」
です。
例えば、エベレストに登ることを考えてみましょう。
世界最高峰のエベレストに登るためには、当然、きちんとした装備が必要です。
地元の中学校のジャージで登ったら、寒くて命にかかわります。
厳しいトレーニングも必要です。
高い山では酸素が薄くなりますから、何の準備もせずに登れるような場所ではありません。
そして、お金もかかります。
では、ここで考えてみてください。
エベレストに登頂した人と、まったく同じ道具を持っている。
同じようにトレーニングをして、登るための体力もある。
さらに、登山に必要な1000万円のお金も持っている。
ここまで全部そろっていたら、その人はエベレストに登るでしょうか。
登りません。
「エベレストに登りたい」
そう思わなければ、どれだけ条件がそろっていても登らないのです。
つまり、最初に必要なのは道具ではありません。
体力でもありません。
お金でもありません。
最初に必要なのは、
「エベレストに登る」
と未来を決めることなのです。
未来を決めるから、
「どんな道具が必要なんだろう」
と調べ始めます。
未来を決めるから、
「この体力では足りない。トレーニングしよう」
と行動します。
未来を決めるから、
「これだけのお金が必要なんだ。では、どうやって準備しよう」
と考えます。
順番が大切なのです。
すべての準備が整ってから、未来を決めるのではありません。
未来を先に決めるから、今やるべきことが決まるのです。
これは勉強でも同じです。
「成績が上がったら、自信を持とう」
「できるようになったら、目標を決めよう」
ではありません。
「この学校に合格する」
「次のテストでこの点数を取る」
「将来、こんな自分になる」
まず、未来を先に決める。
すると、
「そのためには、今日何をすればいいのか」
が見えてきます。
英単語を覚えるのか。
数学の苦手な単元をやり直すのか。
毎日30分、机に向かうのか。
未来が決まれば、今日の行動が変わります。
今日の行動が変われば、明日の行動も変わります。
そして、その積み重ねによって、先に決めた未来へと近づいていきます。
予祝というと、「まだ実現していないことを先にお祝いする」という部分に目が向きがちです。
もちろん、それも予祝です。
しかし、本当に大切なのは、その先にあります。
現在の自分を見て、できそうな未来を決めるのではない。
先に未来を決めて、その未来から現在の自分を見る。
エベレストに登ると決めた人には、今日やるべきことがあります。
まだエベレストに登っていなくても、未来を決めた瞬間から、その人の行動は変わり始めるのです。
未来は、準備が整うまで待ってから決めるものではありません。
未来を先に決める。
そして、その未来に向かって今日を変える。
それが、予祝なのです。
